臨床報告
当社機器 エクスケアDiを使用した臨床現場の最先端の症例報告を、お届けします。
「複合高周波 NMESの介入による呼吸 および摂食嚥下機能、意識障害の改善」
横山幸三/有村真一郎/久保賢太郎/田畑雅士
症例報告内「おわりに」部分 一部抜粋
摂食嚥下障害による誤嚥性肺炎を発症した88歳高齢認知症女性に対して、舌骨上筋群への電気刺激療法( neuromuscular electrical stimulation : NMES)を行う機会を経験し、以下のことが示唆、推測された。
①断続的な発熱の原因の1つであった肺炎は、継続的な複合高周波の舌骨上筋群へのNMESにより咽頭期嚥下運動の改善により正常化することが、胸部エックス線写真および単純CT画像にて明らかになった。
②今後訪れる加齢性サルコペニアによる誤嚥性肺炎発症予防に対して、本法は安全で有用な治療法であると考えられる。
③今後ますます増加する認知症に対して、複合高周波NMESによる積極介入による摂食嚥下機能の改善は、意識レベルの改善、対話などのコミュニケーションの復権、日常生活動作の自立に重要な役割を持つことが示唆された。
日本抗加齢医学会の分科会である脳心血管抗加齢研究会の学術機関誌「アンチエイジングサイエンス」に
総販売元エクスケア・ジャパン株式会社代表桑畑様が連名で症例報告を発表いたしました。
Anti-aging Science 2017年8月号(Vol.9 No.1)購入ページ
症例報告
「運動器症候群に対する複合高周波EMSの改善効果―歩行速度と開眼片足立ちに関する検討―」
森下竜一/橋弥尚孝/横山幸三/桑畑亮嗣
日本でも2017年に75歳以上を高齢者と提唱し、フレイル、サルコペニア、ロコモティブ症候群の改善のために、安全で効果的な治療介入法の検証、確立が急務である。
今回、ロコモティブ症候群である平均82歳の高齢者に対して、腸腰筋と大腿四頭筋への複合高周波によるelectrical muscle stimulation(以下EMS)を3ヶ月間行い、EMS前後の変化を測定し、ロコモティブ症候群への効果的な介入方法であるかを検証した。
歩行障害をもつロコモティブ症候群高齢者の自立歩行の速度と片足立ち時間は有意に改善し、運動器障害のないサルコペニア高齢者と有意差が無くなった。また、腸腰筋の筋力も増大し、インナーマッスルが有意に筋力増強された。
複合高周波EMSでは転倒などはないことと、電気刺激は痛みもなくストレスのない有酸素運動であることから、80歳以上のロコモティブ症候群の高齢者では、認知症とうつ病への予防介入にも適した方法であると考えられた。
2016年12月に学会発表を行った、日本抗加齢医学会の分科会である脳心血管抗加齢研究会の
学術機関誌「アンチエイジングサイエンス」に総販売元エクスケア・ジャパン株式会社代表桑畑様が
連名で臨床報告を発表いたしました。
Anti-aging Science 2016年12月号(Vol.8 No.1)
臨床報告
「複合高周波によるEMSが腹部内臓脂肪面積、血漿アディポネクチンに及ぼす改善効果について」
橋弥尚孝/横山幸三/桑畑亮嗣/細山 浩
日腹部への複合高周波EMSを用いて1か月間有酸素運動と無酸素運動を他動的に交互に行い、その脂肪代謝への影響を検討した。腹部の脂肪総面積は減少したが、皮下脂肪よりも特に内臓脂肪面積が優位に46%減少した。内臓脂肪が減少した機序として、①血漿アディポネクチン濃度が優位に増加したこと、②腹部への複合高周波EMSによるインナーマッスルの有酸素および無酸素運動の両方の組み合わせによる増加の結果、脂肪燃焼が促進されたことが推測された。これたの知見から、複合高周波EMSによる運動は、自動運動の困難な寝たきり老人や、運動制限のある患者の脂肪代謝改善に有効であると思われた。また、この複合高周波EMSによる他動的運動は、生活習慣病予防のための運動処方としても期待できる。